「現場の使いやすさ」に徹するシェアNo.1の施工管理アプリ

株式会社アンドパッド

山口 翔嗣氏

営業部 第一事業本部 第三部
マネージャー

施工管理業務効率化

施工管理の効率化は、建設業に携わる多くの会社に共通する課題。その解決策のひとつとして注目されているのが、クラウド型の施工管理アプリ「ANDPAD(アンドパッド)」だ。現場第一の使いやすさが評価され、業界シェアNo.1を誇る。今回は株式会社アンドパッドの山口翔嗣さんに、アプリ・サービスの開発背景や今後の展望についてお話を伺った。

現場の声を徹底的に集め
使い勝手のいい製品を作る

2014年創業の新進企業でありながら、すでに圧倒的なユーザー数をもつアンドパッド。まずはどんな会社なのか、簡単に教えていただこう。

「ANDPADをリリースしたのは2016年で、現在のところ利用企業社数13万社、ユーザー数33万人となっています。ANDPADを契約いただいている企業様に加え、協力会社や流通会社など含め案件に関わるすべての方が、ひとつのアプリケーション上でコミュニケーションを行えるクラウドサービス、それが大きな特徴になっています。
建設業界は、日本でも2番目に大きな業界といわれていますが、生産効率性や労働環境など多くの課題を抱えています。ITの力で業界に貢献できないかと考え、ANDPADの開発に取り組んだそうです。創業時のメンバーはたった2人でした」

アンドパッドの開発の背景には、どんな問題意識があったのだろうか。

「開発の背景としては、建設の現場において、『言った・言わない』が頻発している、電話が鳴り止まない、メールを見ている時間がないといった状況が非常に多いことがありました。電話、メール、ファックスなど、複数のツールで行われている煩雑でアナログなコミュニケーションを、ひとつのツールにまとめれば、より効率的なのではないかと考え、そうして生まれたのがANDPADです。ここを見ればすべての情報が載っている、という状況を作りたかったのです。
コミュニケーションツールにも色々ありますが、ANDPADが最もフォーカスしているのは、現場の職人さんが使いやすいように作っている点です。特定の立場の人によって使いやすいように設計されているサービスも多いと思うのですが、ANDPADは案件に関わる方すべてが使用するアプリケーションですので、その方たちが実際に使ってくれなければ意味がありません。実務に当たる方がいかに使いやすいか、いかにボタンを押す回数を減らせるか、といったところにフォーカスし、操作性も画面もひと目で理解いただけるような分かりやすいものにしています。
また、ANDPADはベースとなるのは施工管理機能ですが、オンライン受発注機能や図面のやり取り、検査業務向けのものなど、色々な業務に特化したオプションを用意しています。さまざまな拡張性を備え、効率化を進めていきたい領域に合わせて選んでいただくことができます」

現場での「使いやすさ」を製品に反映するには、さまざまな苦労や試行錯誤があったはず。どのように開発を進めたのだろうか。

「まず徹底的に、直接お客様に話を聞くということをしてきました。お客様に意見を伺い、それを元に試行錯誤を続けて、ようやく今のものになりました。弊社代表もいつも話しているのですが、『永遠のベータ版』だと思っています。世の中には予測がつかないことも起こりますよね。お客様の抱える課題も変動しますし、求められる使い勝手も変わります。それに即したものを作っていくということを、日々心がけています。
お客様の声を聞くために、現場の職人さんのところへ製品をお持ちして、実際に使っていただくということを地道に続けました。当初はデジタルツールを使うこと自体、あまり考えていないという方がほとんど。『今のやり方で仕事できているから、必要ないよ』ということで、門前払いされることもありました。
私自身は創業メンバーではありませんが、本当に泥臭く改良を重ねていったと聞いています。その社風は今も残っていると思いますね。こうした努力をしていかないと、現場の気持ちは本当にわからないと思いますし、システムにも反映できないと思っています」

中小零細企業の業務効率化や
コスト削減にも貢献

内装工事店、軽天屋さんでは、どんな形で導入されているのだろうか。

「軽天屋さんですと、まず軽量鉄骨の工事があり、そこから石膏ボード、サッシやクロスという流れになると思います。このときに、『石膏ボードの寸法が間違っていて、再発注しなければならなかった』といったことがよく起こると聞いています。なぜ起きるかというと、FAXやメール等で最新図面の共有ができておらず、古いバージョンで進めてしまったから。つまりコミュニケーションエラーを起こしているということです。ANDPADを使えば、最新バージョンの図面を的確に共有できます。皆様に評価いただいているのは、そういった部分だと思います。
また、少しでも工期が延びないように、いかに早く次の作業に入れるかも重要です。この工事が終わったから、次はこの会社さんが入って……といったことを、写真とチャットを使って情報共有する。すると次工程を担当する職人さんも、前の作業の進捗状況が理解できるので、準備してすぐ現場に入ることができ、ロスが少なくなります。このような形で、図面の共有やスケジュール管理などに、ANDPADを使っていただくケースが多いです」

業界全体の課題として人手不足があるが、その点でもANDPADが役立つことがあるようだ。業務過多になりがちな事務作業を効率化することで、より働きやすい環境を作ることができるという。

「たとえば現場からの作業完了報告などでも、写真の入ったSDカードで提出していたり、月末にまとめてメールで送ったりというケースが多いと聞いています。その結果、事務作業が煩雑になってしまったり、あるいは現場に行かないと状況がわからなかったりということで、毎回の移動に時間を取られるケースもありますね。そうしたことが積み重なって、業務過多になっている状況があると思います。
そこで情報共有をリアルタイムで行うというルールを決め、ANDPADを使っていただくことで、本当に皆さんから『業務時間が減った』という声をいただいています。ある会社では、ANDPADを使って写真で完了報告を上げるという方向に完全に切り替えたところ、事務作業の時間が50%も減ったそうです。これは我々が集めた情報ではなく、その会社の成功事例として、先方社内で報告されたものを共有いただいたものです。
やはり建設業・内装工事業に携わる皆様には、『まずはANDPADを使ってみてください』とお伝えしたいです。メリットは2点あります。まず1つは、いま申し上げたように業務時間が圧倒的に減るという点。2つめは、コストを削減できる点です。再発注における材料費だけでなく、それに伴う作業人員のコストも削減できます。こうしたことで、経営状況の向上に繋げることができると思っています」

建設業界における課題解決に
スピード感をもって取り組む

今後のアンドパッドが目指していく方向性、ビジョンはどんなものだろうか。

「今後、より多くのさまざまな業種の方にANDPADを活用いただき、業務に活かしていただきたいと考えています。多くの業種の方に使っていただくことで、絶対に仕事が楽になる、簡素化されると確信しています。
20年前は携帯電話すら業界に普及しておらず、当然ながら現場に行かなければ何も始まりませんでした。でも今では、当たり前のようにすべての人が携帯電話・スマートフォンを持っていて、それでやり取りしています。そうしたことを考えれば、ANDPADのようなクラウドシステムがインフラ化している未来も、近いうちに来るのではないかと思います」

次なる試みとして、オープンプラットフォームの「ANDPADアプリマーケット」を立ち上げたアンドパッド。その狙いは何だろうか。

「ANDPADアプリマーケットは、ANDPAD APIの提供を通じ、業務のデジタル化を進め、効率化を図りたい建設会社と、DXに貢献するITサービスを提供する企業や開発者をつなげる、建設DXプラットフォームです。現在、12社と連携を開始しており、顧客管理や経理・会計、遠隔臨場など、それぞれの課題に応じた連携サービスをご用意しております。
建設業界の裾野は広く、さまざまな業種・業態でそれぞれの業務課題があります。それらの課題をよりスピーディに解決していくために、ANDPADがさまざまな製品と連携することで、より素早くお客様にサービスをご提供できると考えています。今後もどんどん拡張していきたいです」

取材協力

株式会社アンドパッド

2014年に創業。現場の効率化から経営改善まで一元管理していただけるシェアNo.1クラウド型建設プロジェクト管理サービス「ANDPAD」を開発・提供。
※「クラウド型施工管理サービスの市場動向とベンダーシェア」(デロイト トーマツ ミック経済研究所調べ)

営業部 第一事業本部 第三部
マネージャー

山口 翔嗣氏

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